滅多に着ない喪服や礼服におすすめな収納方法とお手入れ方法

頻繁に使うものではないけれど、必要な時が突然やってくるのが礼服です。
礼服は頻繁に出し入れしないだけに、いざ必要となったらカビや虫食い、色あせなどのトラブルに慌てがちな衣服でもあります。
そこで、本記事ではさまざまなリスクを最小限に抑える礼服の収納方法や、収納場所について解説します。
参考記事:礼服の保管収納にはトランクルームが便利!必要な時に慌てないために
やってしまいがちな礼服のNG収納
礼服を適切な方法で収納している人は案外少ないのかもしれません。ここからは、礼服の収納でやってしまいがちな失敗を紹介します。
クリーニングのビニールのまま収納する
着用後に礼服をクリーニングに出す人が多いかと思いますが、その際、クリーニング店でカバーとして掛けられたビニールをつけたまま収納するのはやめましょう。
ビニール内に湿気がこもり、場合によっては礼服にカビが生えてしまうことがあります。
また、ビニールにより空気の循環が悪くなり、長期間そのままで保管してしまった場合には、衣類が変色してしまう可能性もあります。
防虫剤の期限が切れたまま
礼服の収納時に防虫剤を使用することがあると思いますが、入れたことで安心してしまい、期限の確認を怠っている場合があります。
防虫剤の期限はメーカーにもよりますが、おおよそ1年~数年となっている場合が多いため、出番の少ない礼服の防虫期限が切れていないか、時々確認しておきましょう。
ぎゅうぎゅうに押し込み収納している
収納スペースは有効に使いたいものですが、出番の少ない礼服は、着る時にアイロンをかければ大丈夫と、衣服が詰まったぎゅうぎゅうのスペースに収納してしまうことがあります。
しかし、そのような収納方法では、風が入らずに湿気が溜まるため、礼服にカビが生える、虫に食われるなどのリスクが倍増します。
また、いざ着用する時になってアイロンをかけても、強力についたシワが取れないなどのトラブルにもなるため、押し込み収納は避けましょう。
礼服の上手な収納方法
では、具体的にどのような手順で、どのような場所に礼服をしまえばいいのでしょうか。以下から説明していきます。
使用後はクリーニングが基本
礼服は、目に見える汚れがなくても汗や皮脂などがしみこんでいます。二日続けて着用する際などは例外として、着用後はクリーニングに出しておきましょう(洗濯できるものはしっかり洗濯して良く乾かします)。
二日連続で着る場合、脱いだらすぐにハンガーにかけ、洋服用ブラシでホコリを払っておきましょう。
目に見える汚れや脇部分の汗が気になったら、固く絞ったタオルでたたくように汚れを落としてください。その後、風通しの良い日陰に干しておきます。
クリーニングから返ったらビニールをはずす
クリーニングから返った礼服は、まずビニールをはずします。ビニールはクリーニング店の中での汚れを防ぐための物なので、自宅に戻ったらすぐ外しておきましょう。
また、クリーニングでスチームアイロンをかけている場合があるため、自宅に戻ったら一日程度陰干ししてから収納します。
厚いハンガーにかける
クリーニング店で付属してくる針金のハンガーを長時間使うと、肩部分が型崩れします。
また、生地に隙間ができず風が通りにくいため、カビが生えてしまうなどのトラブルとなり礼服にとってはあまりよくありません。
肩部分に厚みがあり、礼服の肩幅に合ったハンガーを選び、形を整えて吊るしておきましょう。もし適当なハンガーがない場合、針金ハンガーの両肩部分に、肩の厚み程度のタオルを巻くことで対応してもいいでしょう。
スーツの場合は、スラックスの折りジワを避けるため、スーツの上衣と、ズボン用ハンガーとで、別にかけることをおすすめします。女性用のアンサンブルなどは、同じハンガーにかけても大丈夫です。
不織布のカバーをかけて収納
礼服は不織布のカバーをかけて収納します。不織布はホコリを避けて湿気を逃がし、防虫剤の防虫成分はしっかり通してくれるため、礼服の収納にぴったりです。
数枚まとめて販売されているので、大切な衣類用に購入しておくといいかもしれません。また、バッグなどの小物類は、いざという時に慌てないよう、できるだけまとめて収納しておくと安心です。
防虫剤や除湿剤は忘れずに
礼服を収納するスペースの多くはクローゼットかと思いますが、日本の高温多湿の気候では、カビ、虫害等が発生しやすいのが悩みの種となります。
大切な礼服を守るために、ハンガーのように吊り下げるタイプの防虫剤などで、しっかり虫害対策をしましょう。
ただし、防虫剤には期限があります。うっかり期限切れで虫食いになってしまったということがないよう、防虫剤の期限は分かりやすくメモにして貼るなどの工夫をしましょう。
クローゼットには、除湿剤を置き、時々風を入れて湿気を逃がすなど湿気対策も忘れずにしてください。
礼服に最適な収納環境の作り方
礼服に最適な収納環境は、次の3つです。
- 湿気がこもらない
- 清潔な場所
- 日光が当たらない
自宅のクローゼットをこのような環境に保つためには、まず、収納スペースの8割収納を心がけます。8割収納をすることで、湿気がクローゼット買いに逃げやすくなり、風も通るようになります。
また、できる限り小まめに清掃し、ホコリを溜めないようにすることも大切です。
湿気とホコリが結びつくことで、カビや虫の発生を助長するため、除湿剤を使用したうえでこまめに風を入れ、礼服の虫干しも兼ねて清掃しましょう。
8割収納ができない場合は?
クローゼットの衣服を8割に減らすことは案外難しいものです。
そんな時は、季節外の衣類や、結婚式などに着用するゲストドレス、スーツなどを外部の収納サービスに預けるのが得策です。
礼服が必要になるシーンは突然やってくることが多いのですが、季節外の衣類やセレモニードレスなどは、あらかじめ着用日が決まっていることがほとんどです。
収納サービスの中には、CARAETOなど安価で気軽に預けられる所や、宅配便で楽に荷物を出し入れできる所があるため、まるで第2のクローゼットのような感覚で利用することができます。
まとめ
礼服は高額なことも多く、一度購入したらなるべく長く大切に着用したい衣服です。
また、漆黒が特徴の衣服でもあり、カビや色あせが非常に目立ちやすいデリケートな衣服でもあります。
正しい収納方法を守り、いざという時に慌てないためには、8割の収納を心掛けることが大切です。ぜひ、クローゼットを整理整頓し、余裕のあるクローゼットで礼服を大切に収納してくださいね。