更新日: 楽器・音楽

フルートやクラリネットなどの管楽器の正しい保管方法や保管場所って?

フルートやクラリネットなどの管楽器の正しい保管方法や保管場所って?

楽器を楽しむ人にとって、楽器のメンテナンスや保管はとても重要です。管楽器には、木管楽器と金管楽器がありますが、木製の楽器と金属の楽器とではメンテナンスと保管の際の注意点が異なります。

楽器を良い状態で保管すると、見た目はもちろん楽器としての性能を良い状態に保てますが、そうでない場合はあっという間に不具合が生じることも。

そこでこの記事では、整理収納アドバイザーの藤野ことさんに監修していただき、管楽器の正しい保管方法やお手入れのしかた、おすすめの保管場所についてまとめました。

参考記事:楽器の保管に大切な事とは?収納時のケアだけじゃない長期保管方法

管楽器の保管に気をつけなければならない理由

クラリネット 保管場所

管楽器には、クラリネットやオーボエなどの木管楽器と、フルートやサックスなどの金管楽器の2つがあります。

木管楽器は、急激な温度変化や湿度変化にとても弱く、適した環境に置いておかないとすぐに割れてしまったり、キーバランスが崩れてしまったりします。つまり、楽器として使えなくなる恐れや、正しい音が出せなくなってしまうこともあるのです。

金管楽器は、乾燥には比較的強いと言われていますが油断は禁物です。乾燥しすぎると、部品のコルクが縮んでしまうことがあります。さらに、お手入れを怠るとサビが発生する可能性も。

金管楽器には、タンポと呼ばれるフェルトや動物の皮でできた部品がありますが、長期間放っておくと乾燥して固くなり、キーを押さえた時に隙間ができて息漏れの原因につながります。また、湿度が高い場所に保管すると、タンポにカビが生えたり、虫食いが発生したりすることもあります。こうなってしまうと、そのまま吹くのは健康にかかわるため、すぐに楽器屋での修理が必要です。タンポは、気温が低いところに置いておくと、接着剤がはがれやすくなることもあります。

木管楽器にも金属でできた部分があり、手の脂や汗が付着したまま保管すると、変色するだけでなく、メッキがはがれてサビが生じ、キーの操作に支障が生じます。

つまり、木管楽器も金管楽器も、温度や湿度への注意が不可欠なのです。適した環境で保管しないと、カビが発生してしまったり、サビで動作不良を起こしたりと、楽器として楽しめなくなってしまいます。

カビの生えた楽器を吹くことは、体に悪影響を及ぼします。長期間保管していた楽器を久々に吹くときには、楽器店に持ち込んでしっかりカビの有無を見てもらってからのほうが安心でしょう。

管楽器の正しいケア・保管方法とは

クラリネット 保管方法

管楽器のお手入れ方法

管楽器は保管する前に必ず丁寧にお手入れしましょう。手の脂や汗、楽器内部の水分をしっかりと取り除き、金属製の管楽器はグリスやオイルをさすようにします。なお、長期間保管する場合はオイルが揮発し固着してしまうので、オイルを定期的にさしておいてください。

固着とは、オイルが不足して菅が抜けなくなってしまうことです。固着によって無理に楽器の一部をひっぱると、楽器そのものが歪んでしまうといったトラブルを引き起こしてしまいます。適した温度管理や湿度管理だけでは、固着によるトラブルは防ぎきれないのです。

管楽器の保管方法

管楽器を保管する時はケースに入れ、直射日光を避けましょう。長期保管の際は、湿度が高くなりすぎる傾向にある押入れなどにそのまましまいっぱなしにするのはNG。急激な温度変化や多湿に注意が必要なため、できるだけ温度変化の少ない場所に置き、ケース内の湿度に気を配りましょう。

解決策の1つとして、乾燥剤を入れる方法があります。ですが乾燥のしすぎはタンポがカピカピになってしまうこともあるため、楽器店などで販売されている加湿と除湿の両方ができるアイテムの使用をおすすめします。

ケース内の湿度対策としては、乾燥剤に頼らず定期的にケースを開けて空気の入れ換えをすることが大事なポイントです。楽器に風を通し、キーをパタパタと動かすだけでもタンポの虫食いを防げます。

管楽器をしばらく吹かない場合も、メンテナンスを兼ねて1週間に1度はケースを開けて、空気の入れ替えをするのがおすすめです。

管楽器の保管場所はどこがおすすめ?

楽器 保管

夏のとても暑い日に、車の中に管楽器を置きっぱなしにしてしまったという失敗の声を耳にします。車の中はとても高温になる代表的な場所です。木管楽器は割れてしまう恐れが高まるので、車で移動する人は置き忘れに注意しましょう。

長期間保管する場合は、できるだけ温度変化が少なく湿度も一定に保たれている場所での保管が適しています。たとえ家の中だとしても、日が射す場所や空調近くは温度変化が激しくなるのでおすすめしません。窓のそばや押入れ、水回りは湿気が高くなりやすいので避けるのが無難です。

管楽器は、種類により大小さまざまですが、ケースに入れているのでかさばりやすいです。フルートやピッコロなどは比較的コンパクトですが、サックスやファゴット、トロンボーンなどになると、ケースも大きくて場所をとってしまいます。

そのため、自宅での保管が困難な場合はトランクルームに預けることをおすすめします。トランクルームの中には、管楽器の保管に適した環境のサービスもあるので安心して預けられるでしょう。

整理収納アドバイザーから一言
楽器は使わなくなっても「またいつか演奏したくなるかも……」という思いから、なかなか処分できないもの。ですが、いつ使うかわからない楽器をずっとお手入れしながら保管しておくのもある意味ストレスです。自宅の収納スペースを確保してまで持ち続けたいか、お金を払ってトランクルームに預けてまで残しておきたいかをきちんと判断しましょう。

管楽器の保管に最適なトランクルームとは

木管楽器 カビ

トランクルームには、大きく分けると屋内型と屋外コンテナ型の2種類があります。どちらも、自宅の収納に困っている人にとっては便利なサービスですが、それぞれ特徴が異なるためあらかじめ預けたいものの保管場所として適しているか、確認しておくことが大切です。

屋外コンテナ型トランクルーム

屋外コンテナ型トランクルームは、トランクルームのすぐ目の前まで車で乗り入れできるケースが多く、大きな荷物を運搬する時には利便性が高いです。トランクルームへの出し入れは、空いた時間に気軽におこなえる自由さも特徴のひとつです。

しかし、屋外コンテナ型のトランクルームは、空調設備や湿度管理が不十分な場合が多く、管楽器の保管には不向きです。

屋内型トランクルーム

屋内型トランクルームは、温度や湿度が一定に管理されているところがほとんどです。好きな時間に出し入れすることは難しい場合もありますが、セキュリティ面がしっかりしているところと言えるでしょう。

もちろん、屋内型トランクルームでも空調や湿度管理の方法はそれぞれ異なるため、事前に確認することをおすすめします。

管楽器は、温度や湿度への対策が不可欠です。トランクルームで管楽器を保管するなら、温度管理と湿度管理が行き届いた屋内型トランクルームがおすすめ。利用料金だけで判断するのではなく、こうした設備面も確認し、管楽器の保管に適したトランクルームを選びましょう。

宅配型トランクルームもおすすめ!

屋内で保管するトランクルームの中には、宅配で荷物を預けることができる宅配型トランクルームというサービスがあります。屋内倉庫で保管し、温度・湿度管理やセキュリティ対策がしっかりしているサービスも多いです。

比較的小さいサイズしか預けられないことが多いので、そこまで大きくない管楽器を保管するには最適と言えるでしょう。スペースが小さい分、価格もリーズナブル。月々数百円で利用できるトランクルームもあるため、試してみるのがおすすめです。

管楽器は、長期間保管する場合も定期的なメンテナンスが欠かせません。トランクルームに預ける場合も、出し入れしやすい環境にあるトランクルームだとメンテナンスの手間も負担になりませんね。

管楽器は正しいお手入れと保管が必要

クラリネット カビ生えた

管楽器はとても繊細です。正しい方法で保管しないと、壊れてしまう恐れもあります。また吹きたいと思った時のために、良い状態を維持しておきましょう。そのためには、屋内で保管できるトランクルームが管楽器の保管におすすめです。とはいえ、定期的に取り出してケースを開け、風通しをよくする必要があるため、宅配型収納サービスのように気軽に出し入れできるサービスのほうが安心でしょう。

監修後記
管楽器はこまめなメンテナンスが必要です。良い状態に保つためにトランクルームに預けても、ずっと使わないままなのはもったいないですよね。
預けるにしても期限を設け、その期間内に演奏したいと思わなかったら手放すことも考えましょう。手持ちの管楽器と向き合い、どうしたいのかをじっくり考えるためにトランクルームに預けておく。そんな考え方で預けるのもありだと思います。
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