アーミッシュの生き方とは?車も電気も使わない自給自足の生活とは

電気も車も使わずに、自然とともに生きる「アーミッシュ」についてご存知でしょうか。
宗教の教えに従って、快楽を禁じ、最低限の文明を受け入れながら生活するアーミッシュ。
本記事では、アーミッシュの特徴や生活、医療や子育てなどを紹介します。シンプルで穏やかな生活をするために、アーミッシュの生活から学んでみましょう。
アーミッシュとは?
アーミッシュとは、聖書をはじめとした宗教の教えに従って、自然の中で暮らす人々のことです。アーミッシュは、主にアメリカやドイツで暮らし、20万人ほどいるといわれています。
クッキーでおなじみ・ステラおばさんの故郷である、ペンシルバニア・ダッチカントリーにも、アーミッシュが暮らしています。
まずは、アーミッシュの特徴や、宗教的な規律を見ていきましょう。
アーミッシュの特徴
アーミッシュの特徴は、何といってもクラシカルな生活をしていること。
アーミッシュは、発展しすぎた文明の中ではなく、自然と共にくらしています。彼らは家電製品や車はもちろん、電気も使いません。アーミッシュの暮らしている地域では、電柱も電線もなく、家に電気を引かずに生活していることがわかります。
蛍光灯ではなく、ガス灯で明かりを取り、車の代わりに馬車や自転車で移動するアーミッシュ。自然とともに、ゆったりと流れる時間の中で暮らしています。
アーミッシュの規律
アーミッシュには「オルドゥヌング」と呼ばれる規律があります。オルドゥヌングは、細かな規律は地域によって異なるものの、原則として快楽を得ることを禁じる規律。細かな規律を、いくつか紹介しましょう。
- 子供は屋根付きの馬車に乗ってはいけない
- 怒ったり喧嘩をしたりしてはいけない
- 聖書関連以外の読書をしてはいけない
- 化粧をしたり派手は服を着たりしてはいけない など
上記はオルドゥヌングのほんの一例です。アーミッシュが、心穏やかに、宗教の規律の中で生きることを大切にしていることがわかります。
メノナイトとの違い
メノナイトは16世紀、メノ・シモンズが生み出した、キリスト教派のひとつ。メノナイトもアーミッシュも、基本的には宗教の規律に従って生きる人たちのことです。
メノナイトとアーミッシュの違いを分かりやすくいうと、規律に対する厳しさです。
アーミッシュには保守派しかいないのに対し、メノナイトには保守派や改革派、さまざまな価値観をもつ人々がいます。
クエーカーとの違い
クエーカーは17世紀、ジョージ・フォックスが生み出した、プロテスタントの教派です。
アーミッシュとクエーカーには似た部分が多く、歴史的な繋がりもあります。クエーカーが、農耕技術に優れたアーミッシュを頼り、自分たちの領土にアーミッシュを招いたという記録も残っています。
気になるアーミッシュの生活のあれこれ
「自然とともに生きる生活ってどんな感じ?」と気になる方も多いでしょう。
クラシックな服装で暮らし、自給自足で育てた作物を使って、自然由来の料理を作るアーミッシュたち。
彼らの生活の気になるあれこれを紹介します。
服装・ファッション
アーミッシュは女性も男性も、クラシカルな服装で生活しています。
アーミッシュ女性の基本的な服装は、モノトーンを基調としたワンピースです。ゆったりとしたワンピースを着て、化粧をすることなく、なるべく自然なままで彼らは過ごしています。
また、男性は歴史上、男性の魅力の象徴とされる「口ひげ」を伸ばすことは禁止されており、あごひげ・ほほひげを伸ばしているといわれています。
食事・料理
アーミッシュの食糧は、基本的に自給自足です。馬に農耕機を引かせ、自給自足で生活しています。
自給自足で作ったパイやドーナツ、チキンコーンスープを食べるアーミッシュ。また、彼らの作るハチミツは、特産品として有名です。
家具
アーミッシュの家は、基本的に手作り。電気を使わずに生活するアーミッシュの家には、電気を使った「家電製品」はあまりありません。
とはいえ、全てのアーミッシュが、家電製品が全く使わないわけではありません。中には、冷蔵庫やオーブンなど、必要最低限の家電製品のみを使うアーミッシュもいます。
スマホ
電気も車も使わず、現代文明を拒んで生きているかに見えるアーミッシュ。
しかし、アーミッシュは何も現代文明を拒絶しているわけではありません。必要であれば、現代のテクノロジーも柔軟に受け入れます。
代表的な例がスマホです。アーミッシュの中には、スマホを使いこなす人も多くいます。中には、自分の作った農作物や木材を、スマホを使ってオンライン販売する人もいるほどです。
医療
アーミッシュの医療に対する考え方は、とても多様です。
健康や医療に対する態度も人それぞれ。病気になれば、現代の医療が生み出した薬を使う人もいれば、ハーブを使った自然療法を選ぶ人もいます。
子育て・教育
アーミッシュの子育て・教育には、独特の風習があります。
アーミッシュの子供たちは16歳になると、アーミッシュのコミュニティを離れ、いわゆる「俗世」へと出て行きます。アーミッシュの規律で禁じている「快楽」に近づき、現代文明の中で生活しながら、将来的にどう生きるのかを自ら選ぶのです。
もちろん、そのまま現代文明の中で暮らしていく子供たちもいますが、アーミッシュとしての生き方を選ぶ子供たちもまた多くいます。
アーミッシュのいる地域を観光することはできるの?
アーミッシュは、アーミッシュではない人たちと同じ地域で暮らしています。旅行先がたまたまアーミッシュの生活している地域のそばであり、彼らを見かけるということもあるでしょう。
また、観光向けの施設「アーミッシュ・ビレッジ」というものもあります。
アーミッシュのいる地域を観光したい人はどうすればいいのか。アーミッシュを見かけたときはどうすればいいのかを解説します。
アーミッシュ・ビレッジなどの観光向けの施設がある
アーミッシュたちが暮らす観光向けの施設として、「アーミッシュ・ビレッジ」と呼ばれるものがあります。観光向けに解放された、アーミッシュのコミュニティです。
特に、ペンシルバニア州には観光向けのアーミッシュ・レストランがあり、アーミッシュが普段食べている料理を楽しめます。
みかけてもむやみに写真撮影などはしない
アーミッシュ・ビレッジ以外にも、アーミッシュの暮らしている地域はあります。
場所にかかわらず、アーミッシュを見かけたからといって、むやみに写真撮影などしてはいけません。
アーミッシュというのは、いわば1つの生き方。芸能人でも観光業を営む人でもなく、一般の人々なのです。
アーミッシュに習い、生活に必要なものを見極めてみよう
電気も車も基本的には使わず、必要最低限の文明の中で暮らすアーミッシュ。彼らの生活は、究極にシンプルともいえるでしょう。
文明の発展とともに、私たちはたくさんの物を持ち、日々目まぐるしい量の情報に触れるようになりました。
「よく考えたら不必要なものも、そのときの気分でついついたくさん買ってしまう」「スマホを開けば、さまざまな情報が目に飛び込んできて、いつの間にか何十分も時間が経ってしまっている」など、私たちの心と身体は、あふれる物と情報に疲れてしまっているのかもしれません。
「アーミッシュになろう」とまでは思わなくとも、自然とともに生きる彼らの生活に、憧れる人も多いのではないでしょうか。
私たちもアーミッシュを見習って、生活に必要なものは何なのか、1度きちんと見極めてみてもいいのかもしれません。きっと、今までよりも心穏やかな暮らしが、待っているでしょう。
「本当に必要なものかどうかわからない」「一度手放してみて、必要かどうか判断したい」というものがある場合は、宅配型収納サービスに一度預けてみることもおすすめです。
宅配型収納サービスとは、預けたいものをボックスに詰めて自宅から送り、倉庫で預かってもらえるサービス。
宅配型収納サービス「カラエト」なら、160サイズの段ボール1箱月額500円から預け入れ可能です。預けたアイテムは、1つひとつ写真撮影され、アプリ上で確認できます。
取り出したいときにはアプリでアイテムを選択するだけで、自宅まで送ってもらえます。
温度・湿度・セキュリティも完備されているので、大切なものでも安心して預けられるでしょう。
また、預けていて「やっぱり必要ないな」と思ったものは、カラエトマーケットから販売することも可能です。
「手元に必要ないものを預けたい」「一度手放して必要なものか考えたい」「シンプルな生活をしたい」という方は、ぜひ宅配型収納サービスを活用してみてはいかがでしょうか。