老前整理とは?40~50代で身軽になるメリットや進め方を教えます!
すっかり浸透した生前整理の前段階として、40代~50代でしておくべき「老前整理」をご存知ですか?
耳慣れない人はもちろん、どこかで聞いたことがある人も、具体的にどんなことをするのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
本記事では、老いる前にしておく「老前整理」とは何か?そのメリットや具体的な行い方について解説します。
「生前整理」と「老前整理」の違いとは
今や一般に浸透しつつある「生前整理」は、自分の他界後に残された遺族が、相続や財産分与などについて困ったことが起きないよう、あらかじめ財産を整理し、分与についても明確にしておくことを指します。
老前整理とは
「老前整理」は、文字通り「老いる前」に行うのが一般的で、早い人は30代から始める人もいます。
具体的には、身の回りの物を必要な分だけ残し、老後はシンプルにすっきり暮らそうという断捨離のようなもので、「生前整理」の前段階とも言われています。
昨今の断捨離ブームの後押しもあり、近年、親の死後にのしかかる事が問題視されている、実家の片づけ問題を軽減できる秘策といえるでしょう。
「老前整理」は、気力、体力ともに充実している40代~50代で行う人が多く、老後を身軽に過ごそう、子世代に手間をかけさせないようにしたい、という発想に基づいています。
「生前整理」は、自分の死後の家族のために、「老前整理」は老後の自分自身のために行うものと認識すればいいでしょう。
老前整理のメリット
老前整理のメリットはさまざまあります。主に以下のようなことが挙げられます。
- 万が一の時に、片づける人の負担が少ない
- 物が少なくなると掃除が楽、探し物が少なくなる
- ケガのリスクを減らせる
- 思考がまとまりやすくなる
一番のメリットは遺族の負担を減らせる
一番のメリットは、自分の死後に遺族の負担を減らせることでしょう。肉体的にも精神的にも負担の大きくかかる時期に、片付けの心配までさせるのは申し訳ないという思いから解放されます。
また、老後に向かうにあたり、家事の負担をグンと軽減できるのも大きなメリットです。
物が少ない分掃除も楽ですし、いらなくなった物の処分など、面倒なことに煩わされずに残りの人生を楽しめます。また、探し物をする時間もかなり減らせるでしょう。
物が多いことのリスクを軽減
高齢期になると、少しの段差でつまづく、物にぶつかってケガをするなど、家の中での事故が増えてきます。しかし、物が少なくなれば、何かを踏んだり、つまづいたり、足を引っかけたりなどのリスクを大きく減らせます。
思考がクリアになる
最後のメリットは、思考力がクリアになることです。人は、目に入る情報が多いほど集中力がなくなっていく性質があります。
年を取ると自然に何かに集中することが難しくなり、注意力も散漫になりますが、室内がすっきりと片付いていることにより、思考がクリアになり、集中力を高めることができます。
老前整理の具体的な方法
それでは、老前整理は具体的にどのように進めていったらよいのでしょうか。ここからは順を追って説明していきます。
1.不用品の処分
まずはいらないものを捨てる・売るなどして処分することから始めます。処分する物と、取っておく物の判断に迷う人が多いですが、その基準は、
- 長年使っていない
- 古くなって使えない(期限が切れている)
- 壊れている(修理してまで使いたいかどうか)
- もう使わない
このように考えると進めやすくなります。
判断に迷うものがあれば、いったん保留にしてもかまいませんが、できるだけ処分できるように選んでみましょう。
処分とは、捨てることだけではありません。欲しい人がいれば上げてもいいでしょう。
また、状態がいい物や、新品のまま使わなくなってしまったものなどは、古いものでなければバザーなどに出品して地域貢献をしてもいいかもしれません。
2.大きいものを処分する
物を処分すると、今まで必要だと思い込んでいた家具などがいらなくなることがあります。そんな時は思い切って、大きいものを処分しましょう。
例えばスプリングの悪くなったソファーや、巣立った子供の学習机などといったものを処分していきます。
すると、こんなに広かったのか!というほどの広々空間が出現するものです。
室内が広くなれば、ケガのリスクが格段に減らせ、観葉植物や好みのインテリアが映えるなど、返っておしゃれに快適に暮らせるようになります。
3.使っていないけど捨てるにはもったいないものを捨てる
最後に、取っておくものの中から、使ってはいないけれど購入金額を考えると捨てられない、まだ新しいからもったいない、などの理由でとっておいたものの処分に着手します。
バザーなどのチャンスがなければ、リサイクルショップなどに持っていき、それでも引き取ってもらえなければ処分します。
物は、購入した時点で価値はなくなると思ってください。未使用であっても、そのものの価値はないに等しく、使用していない状態であれば、所有者とってもその価値はありません。
本当に必要であれば、またその時に考えましょう。物は日々進化して、新製品など、続々と使い勝手の良いものが生まれます。旧型にこだわる必要はありません。
参考:無理せず「物を持たない暮らし」をするために知っておきたい5つのこと
処分に悩む子供の思い出の品はどうする?
老前整理で一番処分に悩みがちなのが子供の思い出の品でしょう。
まだ小さなころに懸命に描いた似顔絵や、賞をとった図工の絵、お母さんへの感謝の手紙など挙げればきりがありません。
また、小さなころに着せていた手編みのセーターや、手づくりのおくるみなどは、孫ができたらぜひ使ってもらいたいと思う人も少なくないでしょう。
そういったものはなかなか処分に踏み切れないのも事実です。
しかし、せっかく家じゅう断捨離して身軽になったのに、収納スペースの奥に残しておくのも・・・、という人には、外部の収納サービスを利用するのがおすすめです。
参考:大事な思い出の品はトランクルームを利用して上手に収納・保管
収納サービスという選択肢
そういったサービスの中には、カラエトなど段ボール1箱分を月額数百円で預けられる、自宅から離れていても、宅配便で荷物を出し入れできるなど、高齢になってからも使い勝手が良いところがあります。
使いたい時は、スマホから申し込むだけで自宅まで預けた荷物を運んでくれるので、車を手放した際にも継続して使うことができます。
せっかくの断捨離で、シンプルでおしゃれな暮らしをかなえたなら、外部の収納サービスを上手に活用してみることも視野に入れてみましょう。
・大切な思い出の品を安心して預けられる月額500円の「CARAETO」
まとめ
40代~50代の気力、体力があるうちに行う老前整理は、単なる断捨離ではなく、余分なものを整理して思考をクリアに保つ秘策でもあります。
決して慌てる必要はありません。ゆっくり時間をかけて身軽になっていき、来る老後を優雅に快適に過ごすのが目的です。
収納サービスなども上手に使いながら、取っておくもの、処分するものを見極め、着実に老前整理を進めていきたいですね!